素材提供:イラストわんパグ

日米の減価償却制度

 

日本のお客様が「加速償却」を求めているという言葉を仲間内で先週耳にしまして、その場では意味がよく理解できませんでした。

 

ここで日米の減価償却について調べましたので、まとめておきたいと思います。

 

不動産に関する日本の減価償却制度

まず、日本では建物の耐用年数が法律により事細かに定められています。

 

木骨モルタル造の住宅なら20年、木造・合成樹脂造の住宅は22年と書かれていますが、モルタル造とは伝統工法の土壁のようなもので、地震等により滅失したため、ほとんど現存しておらず、普通の木造住宅は木造・合成樹脂造のカテゴリーに属するものです。従って耐用年数は22年です。

 

定率/定額の償却方法は、2007年(平成1941日)に税法が改正されました。それ以前との主な違いは、償却可能限度額および残存価額の廃止(1円まで償却する)と、定率法の計算方法(改訂取得価額/改訂償却率や償却補償額といった概念を導入)です。

 

加速償却とは

法人の場合と個人の場合で、「加速償却」という言葉の意味が違っているように思います。法人の場合は、固定資産を定額法で償却する償却率の200%に相当する率で定率償却できる、いわゆる「200%」償却のことを指すと思われます。

 

一方、個人の建物への投資の場合は、築22年以上の物件=耐用年数を過ぎた中古資産ということで、法定耐用年数の20%を推定耐用年数として使用できること、すなわち22年×20%4年で償却できるということを意味しているようです。

 

4年で定率法により償却する場合の初年度の償却率は0.50050%)です。

<想定できるケース>:例えば日本→米国の直接投資(現地法人を経由しない)で、4000万円で投資用の木造住宅(築22年超)を買い、家賃のグロス利回りが5%として年間200万円、諸経費を差し引いて年間140万円のネット収入があったとします。借入はないものとして、金利は考慮しません。建物:土地の比率は米国サイドの固定資産課税台帳に記載されていますが、これはロケーション(場所)によりけりです。カリフォルニア州の場合、一般的に言えば高級エリアで6:4、並のエリアで8:2ぐらいの比率です。後者の場合を想定すれば4000万円の8割=3200万円が建物部分となり、初年度の償却額(定率法)は、その50%とすれば1600万円となります。収入と差引で初年度は1600-1401460万円の損金が計上できる計算になります。(もっとも、この物件の簿価も同じ金額だけ下がりますので、売却時のキャピタルゲインは大きくなります。また、米国内の税務申告および納税も必要です。)

 

以上は日本における制度です。米国内の制度では、「耐用年数×20%」という扱いは受けられません。

 

米国内の制度(参考)

米国内では、居住用賃貸建物の一般的な償却年数は27.5で、償却方法は定額法しか認められていません。すると、償却率は毎年(1÷27.5=)3.6363…%になります。上の例で行くと、1ドル=100円と仮定して、32万ドル(3200万円)×3.6363%=約11,600ドル(116万円)になります。家賃のネット収入が14,000ドル(140万円)あったとすれば、借入金利を考慮しなければ黒字になります。